ニッチ戦略コラム

NICHE STRATEGY COLUMN

経営計画セミナー ブランドを確立する

寅さんに殉(じゅん)じた渥美清さん

役者さんには、「当たり役」というのがあります。これは、「〇〇と言えば、誰々」というようにブランド化された状態です。
たとえば、『男はつらいよ』の主人公、「寅さん」がその代表的な例でしょう。
あまりに「当たり役」だったため、渥美清さんが亡くなったあと、別の俳優さんで『男はつらいよ』の続編を制作することができませんでした。
また、渥美清さん自身も、寅さんのイメージが強すぎたために、他の映画やテレビドラマに出演することが難しかったようです。
テレビドラマでいえば、『相棒』に出演している水谷豊さんの「杉下右京」がそれに近いかもしれません。
19年も続いているドラマで、「水谷豊さん=杉下右京」のイメージができあがっています。

科学と芸術

ドラッカーは、「会社経営は、科学(science)でもあり、芸術(art)でもある」と言っています。
科学とは、体系化された知識や経験の総称です。一方、経営における芸術とは、企業と顧客が相互に作用し合うことで、心理的・経済的・機能的な価値を生み出す活動と考えてよいでしょう。
つまり、科学はすべての会社に共通する基礎部分で、芸術は科学をベースにつくり出される個別企業の特徴と、それを価値とする顧客との共創となります。
したがって、科学の部分(経営の基本)がしっかりしていないと、良い経営にはなりませんが、芸術の部分がないとファン・信者ができませんので、高業績をあげることができません。
経営を科学するということと、芸術の部分を磨くということは、業績をあげるための【車の両輪】みたいなものです。

自社の芸風(ブランド)を確立する

俳優さんのなかには、どのような役も器用にこなす人がいます。
しかし、超一流になると、だいたいキャラクターが確立されています。それで多くのファンを惹きつけています。
もちろん、大好きなファンがいるということは、反対に、大嫌いな人もいるということです。
特徴を出すとは、そういうことです。
たとえば、無印良品は、当初、特徴がないようにシンプルさを「売り」にしたのですが、いつの間にか、そのシンプルさが特徴になって、熱烈なファンを惹きつけるようになりました。

芸風は、英語では「art style」となりますが、会社においての芸風は「business style」と訳してよいでしょう。
つまり、会社として【芸風】(ブランド)を確立するということです。
孤高の人のイメージが強い高倉健さんに「寅さん」は務まらないでしょが、渥美清さんに高倉健さんが主演した『網走番外地』『八甲田山』『幸せの黄色いハンカチ』などはイメージできません。
これが確立された芸風(ブランド化)と言うものです。
特定のファンや信者の方々には、なくてはならない存在としてブランド化することが、厳しい経営環境で、高収益企業として勝ち残る唯一の方法です。それが、「オンリーワンになる」ということです。

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